《MUMEI》

久保田の身体がヒュッと動いた
 
俺の肩から、壁に、何かが貫いた!
 
久保田「これで、おとなし くなるでしょう…」
 
長い、針?のようなモノで串刺しにされてた!
 
久保田「…心臓を狙ったの ですがね…」
 「手元が狂いましたな… 」
 
龍之介「足がフラフラだぜ 久保田さんよぉ…」
 
久保田「これはこれは、龍 之介ぼっちゃん…」
 「何故、ここへ?」
 
龍之介「決まってるじゃな いか、」
「神無月と、いい関係を保 つ為に、貴方を阻止、し にきたんですよ」  
 
久保田「無駄な事を…」  「龍之介ぼっちゃんにも 眠ってもらいましょう… 」
 
茜「久保田!、貴方は、こ こで、死ぬのよ…」
 
久保田「茜様、ご冗談を… 貴方には、私の子供でも 、生んでもらいましょう か……神無月無き後は、 水無月が、日本を支配し ます…」
 
龍之介「その女は、俺も気 に入ったんだ、久保田に は勿体ないよ…」
 
雅治「ぬぉぉぉっ…!」  
ぬ、抜けない…
 
久保田「はっはっはっ、抜 けないだろ、もっとも、 抜いたら、血が吹き出し て、即死……」
 
雅治「ぐあっぁぁぁぁ!」 
茜「雅治!!」
 
龍之介「!…」
 
雅治「…抜けないなら…」 「俺が前に、歩けばいい …」
 
久保田「貴方も、薬を打っ てるのですか?…」 
 
雅治「…いらねーよ…」
 「こんな、薬…」
 
腕時計のスイッチを押した 
久保田「!」
 
雅治「茜…逃げろ…」
 「俺は、ここで…」
 「薬と久保田を、葬る… 」
 
龍之介「おい、俺も、巻き 添えか?」
 
雅治「……」
 
龍之介「返事も無いのかよ 」
 
俺は、薬の山に、腕時計を入れた
 
雅治「来いよ、久保田…」 「薬が消し飛ぶぞ…」
 
久保田「どこまで、邪魔を するんだぁ!」
 
久保田が突進してきた
 
…道連れにしてやる…
 
ダダダダダダダダダン!! 
久保田の背中に、銃弾が
 
脚がもげ、つんのめり、薬の山に…
 
龍之介「遅いぜ!」
 
「スミマセン!」
 
外人の兵士達だった
 
茜「雅治!…」
 
 
雅治「茜、下に、降りろ、 早く!」
 
茜「雅治も、早く!」
 
俺は、茜の手を払いのけた 
茜「雅治…」
 
雅治「行け、あかね…」
 
俺は、もう、立つ事も出来なかった
 
茜が俺をかつぐ… 
 
女の力じゃ、ムリだ…
 
久保田が起き上がった
 
久保田「私の、薬だ!」
 「私の兵隊を作るんだ! 」
 「誰にも邪魔させん!」 
俺の腕時計を、出入口に、投げた久保田!
 
龍之介「往生際、悪いぜ」 「あんた…」
 
龍之介の合図で
立ち上がった久保田に、一斉射撃……!
 
肉片が飛び、頭が…粉々に… 
 
 
龍之介「脳ミソなけりゃ、 動けまい…」
 
久保田の身体がバタッと倒れた……
 
茜「雅治…しっかりして! 」
 
雅治「なぜ…逃げな、かっ た…」
 
茜「死ぬときは、一緒でし ょ…」
 
龍之介「腕時計爆弾は、不 発か…驚かせやがって… 」
 
俺は、外人の兵士に担がれ、運び出された
 
機械室に戻ったとき
 
奥から、激しい光がさした 
龍之介「な!」
 
直ぐ後に、爆風が来た!
 
ゴゴゴゴゴガー!!!
 
地面が揺れ、家が倒壊していく
 
茜が、俺に、おおいかぶさる 
 
水が流れこんで来た!
 

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