《MUMEI》
責任
真っ暗だ…
 
…此処が何処なのか…
 
そんな事はどうでもよかった…
 
楽になりたい…
 
何もかも…
 
全てがどうでもいい…
 
歩きたくもない…
 
自分すら、見えない暗闇の中で、俺は座った…?
 
落ちているのか、浮いているのか……
 
何も感じない
 
孤独……それがどうした… 
考えるのもめんどくさい
……
……
……
全てを無に……
 
……
……
……
 
「雅治」
 
……誰…… 
 
母の声に聞こえた
 
「歩きなさい」
 
…疲れたよ…
 
「歩きなさい」
 
……仕方なく?、歩きだした……
 
「雅治……」
 
……美樹?…… 
 
「そっちじゃないわよ」
 
……何となく…声が聞こえた方に……向いた気がした……
 
「おいで」
 
……そっか……美樹が呼んでたんだっけ……
 
……どこだ?美樹……
 
「こっちよ」
 
俺は、何も疑わず、見えない美樹の方へ歩いた…
 
……最後の責任、果たさなきゃ……
 
……美樹…俺を、恨んでるだろうなぁ……
 
「さよならだね、雅治」
 
……そうか……俺は地獄に行くんだもんな……
……さよなら…天国の美樹……
 
 
「さよなら」
 
 
「雅治」
 
 
「雅治」
 
 
「雅治」
 
 
……美樹じゃない……
 
「雅治」
 
……あかね?……
 
「雅治」
 
茜「雅治!」
 
 
真っ白な天井が見えた
 
 
……茜……
 
身体が動かない……
 
……また、真っ暗になった…
 
 
 
誰かの声がした
 
「生きてるのかい?」
 
「………」
 
また…どうでもよくなってきた…
 
 
 
 
「雅治」
 
…誰……
 
…誰も居ないじゃないか… 
 
……何の匂いだろう…
 
…いい匂いだなぁ…
 
「雅治!」
 
眩しい!……
 
雅治「…あ…か…ね…」
 
茜「雅治!」
 「意識もどったの?!」 
雅治「……」
 
また、暗闇だ…
 
「さよなら、雅治」
 
……美樹……
 
「男の子は、泣いちゃダメよ」
 
……かぁさん……
 
茜「雅治!」
 
雅治「うっ……がっ……」 
急に、痛みが襲って来た! 
身体が、引き裂かれそうだった
 
茜「しっかりして、雅治」 
雅治「……茜…」
 「…泣いて…る…のか? 」
 
茜「まさはる!私が、わか るの?」
 
 
……生きてたか…俺は…… 
 
鼻に、チューブを差し込まれ
 
身体に、いっぱい何かが付いてる…
 
 
…そうか……俺は、生きてたか………
 
 

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