《MUMEI》

全身打撲…
 
肋骨にひび
 
左鎖骨と肩の神経損傷
 
左足、剥離骨折
 
左膝靭帯損傷
 
大量出血による、臓器不全 
 
……よく、生きてたな…
 
 
俺は、生理学研究所の病室に居た……
 
足と、鎖骨には、日本でまだ認可されてない、人工骨を入れられ
 
リハビリを受ける毎日だった
 
 
意識が戻ったとき
 
泣き崩れた、茜が倒れた

1週間以上、何も口にせず、俺に付き添ってたらしい 
 
あれから3ヶ月…
 
多少、不自由はあるけど
、なんとか、身体が動くようになった…
 
 
茜「何度も目を開けたのに …また、目を閉じちゃう んだもん…」
 
雅治「…よく…覚えてない んだ…」
 
茜「…よかった……生きて て……」
 
 
 
公安部長の鹿島から聞いた 
真樹と大介は、無事、普通の生活を送ってるそうだ
 
 
引っ越して、新しい土地で 
新しい暮らしを始めてるらしい
 
公安のマークは付くだろうが…
 
あれだけの、爆発物を作ったんだ……
 
普通なら、刑務所行きだな……
 
早川は、俺亡き?後
会社と従業員を守ってるそうだ……
 
 
俺の戸籍は、抹消された… 
死亡……したと……
 
柴崎雅治……
 
俺の新しい戸籍だ…
 
 
俺は、病室から出る事をゆるされなかった…
 
 
一方、久保田の死亡も確認された……
 
寝城にしていた、アメリカ企業も、神無月の傘下になり
 
茜と楓の父は、逃亡
楓の旦那も、逃亡……
 
久保田は、捨てられたんだ……
 
テロを起こし、悪魔の薬を手に入れようとしたが…
 
久保田亡き後、テロは、あっさり、解決されたらしい……
 
何も知らない、一般の人が、何人も、犠牲になったらしい……
 
 
嘘の報道と、偽りの真実が、世に伝えられた…
 
……また、大きな歪みを作ってしまったんだ…
 
金でも、武力でも、解決しない歪みを……
 
 
全ての責任は俺にあると
鹿島は言った…
 
死ぬなら…責任を果たしてから…勝手にのたれ死ねと……
 
 
帰りぎわ…銃身がまがったベレッタを置いていった
 
原子火薬により、高熱に曝され…
溶けかけたベレッタ……
 
 
まるで、俺みたいだな…
 
なんとなく、ベレッタを見て、そう思った
 
 
 
見舞い客も、来ない日々
 
茜は、楓と共に、水無月復興に、忙しいらしい…
 
 
寝て、起きて、リハビリ
 
俺は、なんの為に生きてるんだ……
 
責任て何だよ…… 
 
 
 
公安部長の鹿島から手紙が来た
 
『色々あって、新しい部署に行く事になった……』
 
手紙の最後に、
敵は、まだ居ると書かれていた
 
お前の姉…貴子は悪魔になったと……
 
 
雅治「戸籍の無くなった俺 に、姉は居ないだろうに …」
 
病室で独り、呟いた…
 

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