《MUMEI》 「ハチ、起きなさい!」 バサァとめくられた布団から現れたのは、小柄で可愛らしい少年であった。 「もう、何時だと思ってるの!」 母親の容赦ない正拳突きがハチの額に叩き込まれる。 鈍い打撃音。その数秒後に響く悲鳴。 「にぎゃぁぁぁっっ!」 額を押さえ転がり回るハチ。 「痛ぇ、痛ぇじゃねえか母さん!」 涙目で怒るハチ。しかし母親は謝る気配などまったくなく それどころかうっすら笑みを浮かべていた。 「ちくしょう、怪力ゴリラめ…」 小さく呟いたその言葉は、母親の地獄耳にしっかり届いていた。 「まだ目が覚めていないようね…」 「ひいっ…………」 再び悲鳴が響くのであった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |