《MUMEI》

「ハチ、起きなさい!」

バサァとめくられた布団から現れたのは、小柄で可愛らしい少年であった。

「もう、何時だと思ってるの!」

母親の容赦ない正拳突きがハチの額に叩き込まれる。

鈍い打撃音。その数秒後に響く悲鳴。

「にぎゃぁぁぁっっ!」

額を押さえ転がり回るハチ。

「痛ぇ、痛ぇじゃねえか母さん!」

涙目で怒るハチ。しかし母親は謝る気配などまったくなく

それどころかうっすら笑みを浮かべていた。

「ちくしょう、怪力ゴリラめ…」

小さく呟いたその言葉は、母親の地獄耳にしっかり届いていた。

「まだ目が覚めていないようね…」

「ひいっ…………」

再び悲鳴が響くのであった。

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