《MUMEI》
3章 ウザいヤツ【緋色side】
「ぁ〜‥‥‥かったりィ」





アイツが高校行っちまってからだ。





あたしは、

何にもする気が起きねぇ。





服部 流‥

憧れだったあいつが‥

好きだったあいつが卒業しちまって‥

あたしはすっかり‥

やる気ってのをなくしちまった。





「ね‥‥‥ねぇ、芙原さん──」

「‥ぁ?」

「練習──今日もサボるの‥?」

「お前には関係ねーだろ」





‥ウザイ。





何なんだよお前。





ちょっと見た目可愛いからって──

絵ぇ得意だからって──

何なんだよ。




──ウザいヤツ──‥。

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