《MUMEI》

***





「──ねぇママ! 見て見て♪」





──静かな、公園のベンチ。





そこに座っていた私の所に──3歳になったばかりの男の子が駆けて来た。





「何か見つけたの、空?」

「うんっ、きれーなおはな!」





この子の名前は、空。





私と、先生の子ども。





すっごく元気で、よく笑う。





先生に、似てる。





「ママぁ、パパは?」

「今ジュース買いに行ってるよ」

「なんかおそいねー?」

「もうすぐ来るよ、──ほら、戻って来た」

「パパ♪」





空が、先生に飛び付いた。





「おッ、とぉ‥元気ええなぁ空は──」

「うん♪ ソラはいつもげんきだよっ」

「そかそか、そら何よりやな」





先生は笑って、空の頭を撫でてあげた。





「ねーパパ、パパたちってすっごくなかよしだよね♪」

「好きやからな──」

「スキ?」

「そや、好きやから一緒におんねん。好きやから──」

「パパたち、ソラのこともスキ?」

「当たり前やん」

「やった♪」





空が、嬉しそうに笑った。





「じゃあ、ソラたちずーっといっしょだね♪」

「そや、ずーっと。な?」

「うんっ──」





──ずーっと。





私達は、ずっと一緒だよ、空──。





***

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