《MUMEI》 予想以上に早い展開「思ったより早かったわね」 そう言って俺と入れ違いに教室に入った志貴と貴子さんは (本当に話したのか?) そう疑う位早かった。 「この後お時間あります?」 相変わらずギラギラした目で言う貴子さんを 「申し訳ありません。用事がありますので」 忍は慣れた様子でやんわり断った。 (こういう所は執事っぽいよな) 感心していると 「行くぞ」 「へ!?」 小声でいつもの口調になった忍に俺は引っ張られた。 「何処に?」 「挨拶」 「答えになってない」 「いいから。俺は忙しいんだ、さっさと済ませるぞ」 そう言って、忍が俺を車に押し込み向かった先は …高山家、だった。 「お、おい、まさか…」 「先方には連絡してある」 「俺にもしろ!」 「忙しかった」 「だからって…」 ピンポーン 心の準備が整っていない俺の隣で忍がチャイムを鳴らした。 その後 自ら玄関に来た上機嫌の果穂さんに招き入れられ 大志さんが作った契約書に俺と忍のサインを入れた。 まだ一年あると思ったが、研修は来年…高校に通いながら出来る範囲で始まるらしい。 前へ |次へ |
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