《MUMEI》

「そうかい? 気のせいだと思うよ──僕はいつもと同じさ」

「そーかぁ?」

珠季は

一端メロンパンを袋に戻すと

ストローを紙パックに差し込む。

「ぁ、そーいやお前、推薦受けるんだってな──」

「まだ先の事だけどね」

「もう今年で卒業、か──早ぇなぁ」

「そう──いつだって時が過ぎるのはあっという間──。気付いた時には──」

「‥まーた始まった、オマエの熱弁‥」

「僕はそんなに熱を入れて話しているつもりはないけど」

「うっせー。そんな話聞かされたら飯マズくなんだろ」

「──フ‥」

「何だよ笑いやがって。やんのか?」

「ぃゃ、そのつもりは無いよ。喧嘩じゃ君には勝てないからね」

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