《MUMEI》 ──そうか‥。 「いいだろう‥‥‥。そこから動くなよ珠季──今からそっちに登って──」 ‥!? 「──おいっ、何処へ‥」 というか‥ 何を考えているんだ!? 「こらっ──戻って来いっ」 屋上から 木に飛び移るだと‥? どういう運動神経をしているんだ 彼女は‥。 「──────‥」 仕方無い‥。 「降参だ。僕の負けだよ珠季」 「んぁ? 何だよ、追っかけて来ねーのか?」 「残念ながら、僕はそんな所へは行けないからね──」 仮に行けた‥ としてもだ。 きちんと降りられる自信はない。 だから悔しいけれど── お手上げだ。 前へ |次へ |
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