《MUMEI》

そして震える口元から、最後の力を振り絞るように語りかけた…。





『猪俣よ………………





…縁(えにし)を絶とうぞ…。』




柳沢の目から大粒の涙が溢れた…。




猪俣もうつ向いて肩を震わせた…。



『…行け…



…これで……お前を縛るものは………何も無い…。』



柳沢は静かに眼を閉じる…。



猪俣は袖口で涙を拭い、席を立った。



そして柳沢に深々と一礼し、病室を出た…。




そこに居るのは全てを失った只一人の鬼神だった…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫