《MUMEI》
「──桐生君」

「ぇ‥」

「大丈夫、ですか？」

「‥‥‥‥‥‥‥」





大丈夫‥

じゃないと思う。





「すいません、僕‥先輩まで巻き込んで‥」

「そんな事ないですよ？」

「──でも‥」

「緋色ちゃん、時期がくれば話してくれると思うし、だから──桐生君は見守っててあげて下さい。ぁ、私ももちろん──」

「藤澤先輩」

「桐生君‥？」

「僕‥‥‥芙原さんが好きなんです」

「緋色ちゃんを‥？」

「‥でも‥分からないんです‥。芙原さんは‥服部先輩が好きだから‥」

「──ぇ」

「藤澤先輩‥？」

「───────」

「先輩、あのっ‥僕──何か‥」

「緋色ちゃんの事──宜しくお願いしますね」

「──先‥‥‥輩‥？」

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