《MUMEI》
三者面談最終日
「後は、真司で終わりだな」


三者面談最終日の、昼休み


パンをかじりながら拓磨が確認した。


今日は、守は吉野と二人でお昼を食べているから、志貴・俺・拓磨・真司の四人で昼食をとっていた。


「真司は進学か?」

「あぁ。できればスポーツ推薦狙ってるけど、来年の成績次第だから、今回は学力奨学生の方向で相談してみる」

「お前、頭もいいもんな」


拓磨が感心したように言った。


「あら、でも意外と努力家よ。授業も真面目に受けてるし、ちゃんと予習復習してるし」


志貴は二学期に入ってすぐの席替えで、初めて真司と隣同士になっていた。


(そうなんだ)


俺は未来をきちんと考えている真司を尊敬した。


「担任もやっと喜べるわね」

「そうだな」


学年で一、二を争う成績の俺と志貴が就職を選択した事で、担任はすっかり老け込んでいた。


「別に、担任の為じゃないけど」


真司は苦笑し、否定したが


俺と志貴の次に優秀な真司が大学進学を選んだ事は、担任をかなり喜ばせたらしく


三者面談最終日の翌日、担任の表情は晴れやかだった。

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