《MUMEI》 今年も…三者面談が全員無事に終わり、後数日で冬休みになる頃。 「祐也、今年もお願い!」 俺は志貴に、クリスマス期間中のバイトを頼まれてた。 「今年は電卓あるだろ?」 去年は電卓が足りなくて、俺は人間計算機をしたが、今年は 俺が志貴にプレゼントした電卓がある。 「そうなんだけど…常連さんがね。祐也が来るの期待してるのよね」 「そう言われても…」 俺はあの華やかな空間が正直苦手だった。 「じゃあかわりに俺が!」 俺が志貴に頼まれた場所が放課後の教室だったので、拓磨が立候補した。 (気合いはわかるけど…) 「数学毎回赤点で、センスゼロの拓磨が?」 志貴が冷ややかに事実を述べると 拓磨は何も言えなくなってしまった。 「そんなに暇なの?」 「はい!」 (そこで嬉しそうなのはどうかと思うぞ) 呆れる俺の目の前で、志貴は信じられない事を言った。 「じゃあバイトはいいから、うちでやるクリスマスパーティーに出なさい」 「「え!?」」 「行きたくないなら別に…」 「行きます!喜んで!」 …嬉しそうな拓磨と、ニヤリと笑った志貴を見て、『事情』を知る俺はため息をついた 前へ |次へ |
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