《MUMEI》
再会、槍使い
「おっと、もう9時か、じゃあな狩月。喰いすぎて腹壊すなよ〜」
席を立つジェイク。
「何処行くの?」
「金儲け。10時からのオークションに出品するんだよ。金に余裕があるなら今度案内してやるよ。じゃあな〜」
ひらひら〜と手を振りながら店を出て行くジェイク。
「オークションか・・今は宿代で精一杯だしなぁ・・」
残念そうに呟くと食事を続ける。
「テレパス 狩っちゃ〜〜ん何時に何処行けばいいの???by想花姉さん」
テレパスに気がつき、とりあえず展開してみる。
「・・・姉さんって、何だろう・・」
食事を終え、テレパスを返す。
「テレパス 11時までに噴水の前の予定。」
「テレパス 琴〜〜11時までに噴水の前に来てくれ。」
時刻は10時を過ぎた辺り、そろそろ行こうかと思い、席を立つ。
「気をつけてな。」
宿を出る狩月に気がつき、声をかけてくる店主。
「はい。行ってきます。」
軽く頭を下げ、宿を出る。
中央公園までの道のりは覚えているので、迷わずに辿り着く。
街の様子をのんびり見ながら歩いて来たので、10時30分ごろに噴水へと辿り着く。
(よかった、迷わなかった。)
ほっと安心し、公園を見回す。蒼い長髪が視界に入った。
(どっかで見たような・・)
「リース!」
声をかけ、側へと寄っていく。リースも狩月に気がついたようでこちらに向かって歩いてくる。
「狩月か。琴と待ち合わせでもしているのか?」
噴水の前のベンチに座りながら会話が始まる。
「そんな所。リースは?返信が無かったから忘れられたかな〜と思ったりしてた。」
笑い混じりに答える狩月。
「すまない。用事があってな。少し時間はあるが・・大切な用事でな。」
そう言うと、軽く頭を下げるリース。
「そうなんだ。」
「すまない、本当なら色々と話もしたいのだが・・」
気にしなくていいよ、と笑う。
「狩月、一週間後の儀式の時はあまり街に出ないほうがいい。・・・・・・混雑するだろうし、慣れないと大変だろうからな。」
しばらくスキルなどの話をしていたが、思い出したようにリースが提案する。
「結界強化の儀式のこと?」
昨夜バンプから聞いた儀式だろうと判断する。
「そうだ。できれば宿でゆっくりしてるといい。」
リースは言いながら、困ったように顔を逸らす。

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