《MUMEI》 にしても── 歩きにくそうだったな。 あの時の珠季は──。 履き慣れないヒールのブーツに かなり戸惑っていた。 いつもスニーカーを履いていたのだから かなり 苦戦していたんだろうな──。 僕は そんな彼女を支えて歩いた。 どぎまぎしていた彼女の横顔が 何だか可愛いらしく見えた。 ──美術館に着いてからは 絵画や 彫刻を見て回った。 本当は 喋ってはいけなかったんだけど── 僕は つい彼女に話しかけてしまっていた。 誰にも咎められる事はなかったから 良かったんだけどね。 そうだ── ホールの土産物コーナーで 珠季にキーホルダーをプレゼントされたんだ。 前へ |次へ |
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