《MUMEI》
CASE1:卒業式
『おう、林〜!待た
せたな。』

俺より8つも年上に
見えないあどけない
笑顔で先生が駆け寄
って来た。


…ドキン・ドキン・ドキドキ
ドキ…

うわっ鎮まれ!
俺のチキンハート!


『あ、お前〜ネクタ
イ曲がってるぞ、た
く…春から大学生だ
ろう?しっかりしろ
よ。』


『あ…うん。』


『で、話ってなんだ
?そんな大切な話な
のか、卒業式の前に
呼び出すなんて?』


『あ、あの…俺…』


キラッ…
『!?』
先生の左手の薬指に
指輪?


ドクン・ドクン…
『先生…結婚するの
?』

否定して欲しい気持
ちで尋ねる…


『あ…実は今日お前
達の卒業式が終わっ
たら入籍するんだ!』


『………』


幸せな顔をしちゃっ
てさ…

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