《MUMEI》 CASE3:留学『アキラ〜コレやる わ、お前欲しがって たろ?』 兄ちゃんが僕の部屋 に入ってきた。 『それ、大事にして た奴じゃん!』 今まで何度も頼んだ のに触らせてもくれ なかったお気に入り のヤツ… 『うん、アッチに持 っていかねーからさ お前にやるよ。大事 にしろよ!』 『……』 兄ちゃんはもうすぐ アメリカに留学する 為にこの家を出る。 『なあ、アキラ〜俺 はアメリカに行っち まうけど、何かあっ たら電話しろよ? 離れてても大事な弟 だからな!』 兄ちゃんは笑って僕 の頭を撫でた。 『それって…兄ちゃ んは僕の事が好きっ て事?』 冷静に聞いた。 『あったり前じゃな いか〜大好きだぞ!』 屈託のない返事が返 って来る。 …違う、そうじゃな いよ、兄ちゃん… 解ってる…間違って るのは僕の方だ… 兄ちゃんの好きと僕 の好きは全然違う… 明るく笑う兄ちゃん に何故かムカつく! 『出てって!!』 『アキラ…?!』 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |