《MUMEI》
俺様ヤンキーもう一回
気を取り直して、別の日


作戦二


『人に(お年寄りに)親切にしてみよう』


放課後


困っている人を探してキョロキョロする俺


…いた!


重そうな荷物をかかえたおばーちゃん発見!


俺はさりげなくおばーちゃんに近づいた
※実際ちっともさりげなくなく、おばあさんは既におびえています


「荷物貸せ」

「こ、これだけは許して下さい! これだけは…!」


え〜、だってこれが一番重そうじゃん


つーか、早くしないと真白ちゃん来ちゃうよ!


「いいから貸せ」

「ヒィ!」


荷物を引っ張り合う俺とおばーちゃん


「「あ…」」


風呂敷がほどけ


荷物が床に


パリーンッ!!


落ちて、割れた


「何だ、これ?」


…食器?


すると


「お、おじいさんの形見がぁーー!!」


しゃがみ込んで、おばーちゃんが号泣した


形見?





俺、もしかして


ものすごく、悪い事、し…


ビックーン!


こ、このゾクゾクする視線は…


恐る恐る辺りを見回すと


いつの間にかできていた、野次馬の中に


真白ちゃんが…いて


俺は、…逃げてしまった

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