《MUMEI》 「あー、終わった終わったぁ」 授業終了のチャイムが鳴ると同時に 珠季が大きく伸びをした。 「なぁ、オマエ今日も塾行くのか?」 「ぁぁ──」 「よくやるよなぁ、勉強なんて」 「解れば結構楽しいものだよ」 「そーかぁ‥?」 珠季は あり得ないと言いたげな顔をして 言った。 「アタシは絶っっ対やだけどな──」 「何なら、僕が教えてあげないでも無いよ」 「ぁ‥? 何でアタシがオマエに勉強教えてもらわなきゃなんねーんだよ」 「フ‥、そう言うと思った」 「だったら訊くなよ。つーかオマエ、何でそんなに勉強出来んだ‥? 1日にどんだけ勉強してんだよ」 「僕は学校と塾の宿題──それと予習復習をやる位だけど」 前へ |次へ |
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