《MUMEI》

「‥アタシは宿題すらまともにしてねー‥」

「それでも、全く手を付けない訳じゃ無いだろう?」

「‥ん、まぁ‥そーだけど」

照れて

俯いた珠季。

「‥なぁ」

「?」

「ぃゃ、何つーか‥」

戸惑ったような

はにかむような。

こんな表情を見せるようになったのは

つい最近の事だ。

やはり女子なんだと

僕は

彼女のこの表情を見る度に思う。

「変わったな、君は──」

「‥ぇ」

珠季が

顔を上げた。

頬を

真っ赤に染めて。

「なッ‥何言ってやがんだテメェ!?」

座っていた椅子から立ち上がって

ビシッ

と僕を指差すと──

ダンッ

と座席に片足を突く。

「アタシはなっ、アタシは──‥」

急に

珠季の覇気がなくなる。

「‥アタシは‥」

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