《MUMEI》

「‥ほら、こん中から好きなの選べ」

「ぇ、選べ‥?」





これって──

香さんの‥?





「ちょっとデカいかも知んねーけど、まぁ‥母さんが上手く着付けてくれるだろ」

「あの、勝手に出しちゃっていい‥んですか‥?」

「‥別にいいだろ」

「ぃ‥いいんだ‥」





そっかそっか‥。





意外と‥

ていうか、

かなり度胸あるんですね、

鳳君‥。





「‥自分で選ばねぇならオレが選ぶぞ」

「ぇえっ‥?」

「──っと‥これは地味だし‥こっちは‥微妙だな」

「鳳君──あの、そんなに真面目に選ばなくていいですよ? 適当で──」

「‥適当になんか選べるかよ」

「はぃ‥?」

「こういう時位、洒落てもいいんじゃねぇか」

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