《MUMEI》
CASE4:婚礼前夜
『若…本日はおめで
とうございます!』


『おう!銀次、あり
がとな。』


今日は俺の大切な若
の結婚式だ!


若と俺とは年が近け
ぇ事もあり親分から
世話役として若の側
近を命じられた。


それからはいつも二
人で数々の修羅場を
くぐり抜けて来た。


若を守り、一端の漢
にする事が俺の夢だ
った。


俺はもう思い残す事
はねぇ…


『若…この銀次、若
に1つ頼みてぇ事が
あります』


『おう!何でも言っ
てみな?珍しいな〜
銀次が頼み事なんて
な。』


『実は…今日でお暇
を頂きたいんですが
…』


『銀次…オメェ、何
を言ってやがる?

そんな冗談は笑えね
ぇぞ!』


『いや…この銀次
冗談は言いやせん
ぜ…』


…俺は本気だ、これ
以上若の傍には居ら
れねぇ…


だって…俺は…
若に…邪な想い
を抱くようにな
っちまった…


今ならまだ…
諦められる…

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