《MUMEI》
槍使いからの贈り物
「う〜ん・・わかったよ。リースがそう言うならできる限りそうするよ。」
しばらくの沈黙の後、狩月は答える。その答えに満足したのか小さく頷くリース。
「すまないな。訳の解らぬ事を言って。」
そう言うとまた頭を軽く下げる。何故か解らない・・だが理由を聞いてはいけない気がした。
(思いつめたように見えるのは気のせいなのかな。)
「気にしないでよ、リースが俺の事を思って言ってくれてるわけだし。」
「・・・ありがとう狩月。できれば琴とボンカーにもそう伝えておいてほしい。」
ベンチから立ち上がるリース。
「うん。・・どんな用事か知らないけど、頑張ってね。」
大きく頷き、返事をする。
「あぁ・・やれる限りの事はやるつもりだ。そうだ狩月、これを受け取ってくれないか?今持っている物よりは使いやすいと思うが・・」
そう言うと、指輪を一つ外すと狩月に渡すリース。
受け取りながら困惑した表情をリースに向ける。
「指輪・・だよね?」
見たままの感想を口に出す。知らないもの無理はないか、と説明を始めるリース。
「リングオブウエポンと言う武器だ。少し魔力を収束させてみるといい。」
言われた通りに魔力を指輪に向かって収束させる。
シャァン・・
と小さく金属音が響くと目の前に一振りの片刃の剣が浮かんでいる。
「すごい!!」
剣を手に取りジーっと見つめる狩月。
その様子を微笑みながら見ながら説明を続けるリース
「シレントソードと言われているリングオブウエポンだ。軽量で使いやすい剣なんだが・・どうだ?」
「えっと・・まだまだ素人だし、解らないけど・・軽くて振り易そうです。」
数回素振りをすると、また剣をジーっと見ている狩月。
そんな狩月を見て嬉しそうに、笑うリース。

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