《MUMEI》

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多少の身長差があるので上から見ていると、アキラは少しもの悲しそうな表情をしていた。

その姿は今すぐこの場で抱きしめてしまいたくなるくらい可愛いらしかった。

「アキラ…」

その場で…抱きしめはしなかったが、花束をあきらの方に少しずらすと、周りには見えないようその頬にそっとキスをした。

「えっ///ど…どうしたんですか///」
「そのままの意味だ、ずっとこうしてキミと一緒に居たい…」
「…ずっと…ですか」

普段の俺からははありえないくらいの笑顔でニコッと笑いかけると、あきらの頬が赤く染まっていた。

「ぁ…あの…」
「まぁ、積もる話はどこか入ってからしようか」

そう言うと、ふと目に入った夜のカフェバーのような店に、彼を促しながら入っていった。




「仕事終わりで腹も減ってるだろうからさ、私の奢りだよ」

俺はいつも通りビールとソーセージを頼んでいると、アキラはニコニコしながら俺を見ていた。

「何だ?」
「何でもないです///」

どうやらドイツ人の俺がドイツ人らしいオーダーをしたんで、面白かったらしい。

「……じゃあ、キミがメガネかけてカメラ持ってたら笑ってやるよ」
「えへへ///」

アキラはあまりこういう所に慣れてないようで、メニューの見方が分からないらしく挙げ句に『ソフト…ドリンクって何ですか?』と言い出した。

「外で食事した事は?」
「すみません…世間知らずで///」

彼にビールを勧めると、ダメだと言ったので年齢を聞くと、ギリギリ未成年という事だった。

「19…なのか?」
「克哉さんが22歳って方がビックリしましたけど…」

俺は多少老けた見た目だからなのだが…そういえばあきらは双子の弟達に比べると全然しっかりしてはいそうだが、やはりじっくり見てみるとかなり若い。

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