《MUMEI》
Ex (kleiner) Liebhaber.元(小さな)恋人
  
今日は克哉さんが休日という事で、くるみちゃんも一緒に家具や日用品を買い出しにやってきた。

まず始めに克哉さんに連れて来られた所は日本で見るような所とは違って薄暗くアンティークな雰囲気のする家具屋さんだった。

そこにはよく見てみると小さく修理されていたり大事に使われていたような味のあるアンティーク家具が並んで、どちらかと言うと新品を探す方が難しいくらいだった。

「あ、これ見てもいいですか」

こっちでは多分子供用なんだろうけど、僕でも寝れそうなくらいの大きさのベッド。

「何でまたベッドなんか…いらんだろ…」
「でも…何かあったら…」
「何も無い!」

克哉さんは何故か強引に反対みたいだけど、僕だって部屋で一人になりたい時もあるんだよ。

「俺と一緒に寝るのが…嫌なのか?」
「そんな事は無いです」

克哉さんは僕を不安げな表情で見つめてきていた、だけど別に僕は克哉さんの事がキライになったワケじゃない、むしろその…逆だし…。

あなたが居ないと、僕は生きていられないぐらい…あなたを愛しているのに。


「じゃあソファーベッドでいいです、ソファーですから…」
「うわぁ〜ちちゃーい、くみちゃんはちっちゃいかりゃ一緒に寝れゆねぇ〜♪」

そう言ってくるみちゃんが目の前のソファーベットにポフンと飛び込んでいた。

ベッドの上でコロコロしているくるみちゃんは、まるでぬいぐるみのように可愛らしいかった。

そんなくるみちゃんの頭を撫でながら、一緒にそのベッドに腰掛けて、二人で仲良く頭をくっつけて笑い合った。

「えへへっ///」
「えへ〜///」
「…分かったよ」

克哉さんはそう言うと、店員さんっぽい男性に今まで聞いた事のないような柔らかく聞こえる言葉で話しかけていた。

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