《MUMEI》

塾には

何とか間に合った。

そして今──

僕は帰宅する途中だ。

「‥?」

あれは──‥。

「麻木‥?」

「──ぁっ‥、綾瀬君──」

「どうしたんだい‥? もう家に帰っていたんじゃ──」

「ぁ、ちょっと──アイス食べたくなっちゃって。コンビニに買いに行くとこなんだ──」

「アイス‥?」

「うん。綾瀬君は──塾の帰り?」

「ぁぁ。──それじゃ、また──」

「綾瀬君」

「ぇ‥‥‥何だい?」

「ぁ、ううん──珠季と最近いい感じだなぁって──」

「!?」

「何か──最初の頃が嘘みたい」

「フ‥、ぁぁ──そうだね」

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