《MUMEI》

本当に──

今になってみたら

嘘みたいだな──。

「ね、綾瀬君って確か──」

「?」

「夏にはもう受験なんだよね──」

「ぁぁ‥。どうなるかは分からないけどね」

「大丈夫だよっ」

「麻木‥?」

「珠季だって──きっと同じ事言うと思う」

「───────」

──そうだな──。

なら‥

悩むのはよそう。

「それじゃ綾瀬君、またね♪」

「ぁぁ、また明日──」

麻木

何だか嬉しそうだな──。

彼女は

本当に──

珠季にとっていい親友だ。

麻木は

いつだって──

珠季を支えて来たんだからな──。

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