《MUMEI》

夜──

学校の宿題を終えた僕は

読みかけだった推理小説のページを捲っていた。

珠季は

今頃どうしているだろうな‥。

もう

寝てしまっただろうか?

それとも──

まだ起きているんだろうか?

「───────」

気が付くと

いつも考えているのは彼女の事ばかりだ。

彼女が

今何をしているのか。

彼女が

何を考えているのか。

そんな事ばかりが

無意識に頭の中に浮かんでくる。

どうやら僕は

完全に

彼女の虜になってしまっているらしい──。

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