《MUMEI》

‥‥‥試合が、

始まった。





センパイが、

先手を打つ。





ボールが弾む音が、

足元からビンビン響いてくる。





‥この感じ‥

前と同じだ‥。





あの頃‥

感じてたのと同じだ‥。





「ッ‥‥‥‥‥‥」





ちくしょ‥。





ちくしょ‥ッ!!





何やってんだよあたし‥。





ほんとは‥

早くセンパイに追い付きたかったってのに‥。





もうあたしは‥

何ヶ月も練習してねぇ。





ボールは‥

クローゼットの奥底‥。





もう、

使う事もねーだろって‥

そう思って‥。

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