《MUMEI》

鳳君は、

私を部屋まで送ってくれた。





「‥めざまし、ちゃんとかけとけよ」

「ハイ‥‥‥」

「‥何だ、疲れたか」

「ぃぇ‥そうでも‥‥‥ない、デス‥」

「──明日」

「はぃ‥?」

「‥楽しみにしとけよな」

「鳳君──?」





明日も何かイベントが?





「‥じゃあな」

「ぁ‥」

「‥?」

「ども‥です」

「‥別に、俺は何もしてねぇよ」





鳳君は、

私に背中を向けたまま──

何でもなさそうな口調で言った。





でも、

ちょっとだけ照れてるのが分かって──

何か、

笑いそうになった。

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