《MUMEI》

猪俣はグラインダーの刃を芒田の眼球に近づけてゆく。



『ヒィ!』


芒田は、最後に残っていた威勢を恐怖の色に変えた。



『…素直に言えば、苦しまずに死なせてやる…』



猪俣はもう片方の手にM9を構えて、男の口に銃口を突っ込んだ。



『ヒあああぁ…!』


芒田は涙を浮かべ、吊されたまま失禁した。



芒田にしてみれば、萩原組は既に崩壊しているので、もはや客人"松の字"に義理立てする理由など無い。



楽に死なせて貰えるという対価だけで、男は"松の字"を売った。



『か!…笠松は……!』



その口からは、猪俣が求める情報が、次から次へと溢れ出した…。

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