《MUMEI》

足が痛くて、
歩くこともできない。






それでも俺は、スイミングスクールに通った。



足を動かさないトレーニングを毎日した。



俺がそこまでして、通った理由は
亜沙美に会いたかったからっていうのも、あったけど、


何より、全国大会を諦めていなかったからだ。






確かにまだ、
来年もあるけど、



希望があるなら失いたくない。
亜沙美の喜ぶ顔が見たいんだ。


俺が全国に出たからって、亜沙美が喜ぶとは限らないけど‥。


それと、
亜沙美の好きな、原田 秋人に勝ちたい。


アイツは絶対、50b自由形にも出るぞ。
アイツと勝負出来るのは今年で最後なんだ。


亜沙美の好きな原田に勝って、全国で
1位になってやるんだ。




全国で1位になったら亜沙美に‥‥―。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫