《MUMEI》
全員集合、苦労&苦笑
刀剣類の手入れの仕方についての部分を読み始める。
「何、読んでるのかな??」
想花の声が聞こえた。
「想花。おはよう。」
顔を上げ、想花に挨拶をする狩月。おはよ〜と想花も挨拶を返してきた。狩月が読んでいた紙束を興味津々と言った様子で見つめている。
「ついさっき友人から貰ったんだよ、武器とかの手入れの仕方がまとめてある。解りやすく書いてくれてあって、大助かりかな。」
紙束を示しながら言う。ふ〜んと納得した様子の想花。
「剣とかは手入れ大変そうだもんねぇ〜・・私にはさっぱり。」
杖を示すと、
「杖は綺麗に拭くくらいだもんね。」
けらけらと笑う。そうなんだ、と相槌を打つ狩月。
「そう言えば!何で騎士団長様と知り合いになれたの!?」
ズイっと近づきながら、質問する想花。眼が怖い・・笑ってるのに、眼が怖い。
「昨日、教会を見に行って、そのときに色々あって・・・」
しどろもどろになりながら説明をする。
「いいなぁ〜・・・彩詩様・・・はぁ〜・・」
話を聞いているのかいないのか・・ぼうっと呟いている想花。
(・・・どうでもいいけど、なんで彩詩様なんだろう・・やっぱり様ってつけるくらいに偉い人だったんだろうか・・)
昨日の彩詩の姿を思い出しながら、なんとなく考える。横では想花が妄想を爆発されているようだ、色々と誤解を招きそうな言葉を呟いている。
「お前ら・・どう見ても変人のコンビだぞ?」
あきれた様に声をかけて来る琴、横にはボンカーの姿もある。
「元気そうなお嬢さん、お名前は?」
想花に気がつき、恭しく膝をつくと、想花の手を取るボンカー。
「え、お嬢さんなんてキャラじゃないよ〜」
そう言いながらも嬉しそうに照れ笑いを浮かべる想花。
はぁ・・と盛大にため息をつく琴。
「・・・病気かこいつは・・」
そう小さく呟く琴に笑いながら挨拶をする狩月。
「おはよう。随分疲れてるみたいだけど・・大丈夫?」
「街の通りで見つけて一緒に行こうって話になったんだけどな・・女と見ると・・あんな感じでな。」
横で想花と話をしているボンカーを示しながら苦笑する琴。
「大変そうだね・・」
同じく苦笑しながらボンカーを見る。

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