|
《MUMEI》 雨千晴。あんたが死んでもう二年ですね。かわいそうな千晴。優しい千晴。 姉妹で心中なんて聞いたことがありません。よほど妹さんを大切に大切に思っていたんだと思います。その妹さんが私の病院に検診にくるたびに千晴を思い出します。子供の名前は同じ千晴にするそうです。自分だけ生き延びてしまった負い目を背負い込みながら、妹さんは頑張って生きてます。 許せますか？私は絶対に許しません。千晴ではなく、彼女が死ねば良かったのに。死にたがっていたのは妹の方なのに。彼女の命を奪うことも考えましたができません。できるはずがありません。彼女のお腹には。 愛しています、千晴。また昔みたいに私を呼んでください。美雨ちゃん、愛してるよと恥ずかしそうにキスしてください。今からそちらへ向かいます。 千晴。愛しています。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |