《MUMEI》
二択
「そんな話…。」


「信じられぬのはわかる。じゃがの、お前はその悪夢を実際見とるじゃろ。
なら、わしが今言った事も事実になりえると、そう思わんか?」



別に疑っている訳ではなかった。
ただ、それを受け入れることが怖かった。


俯くだけの貴士に、老婆は追い討ちをかけた。


「このまま夢に喰われ、転生する事も許されず、永遠夢の中で彷徨うか…それともその夢から抜け出すか…
全てはお前次第じゃぞ。」

貴士は迷わず答えた。


「抜け出すにはどうすれば?」


顔を上げ、老婆を見る。


「初めに言うたはずじゃ。屋敷に入れ。」

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