《MUMEI》

俺は事情を適当に説明した。


「なるへそ。わかりました。その死体、始末しませう」


しませう、という言葉使いにイラッときたが、我慢した。


「お代は…わかっていますよね?」


きた。俺が恐れていたことだ。


この始末屋、始末を請け負うに際し、代金を受け取らないとサイトに書いていた。


代わりに、払わなければいけないもの


『たいせつなもの』


ただ、そう書いていた。


「あなたのたいせつなもの、戴きますよ」


意味は分からなかった。ただ、今の状況を脱するにはこれしかない。


俺は承諾した。


後々後悔する事になるとも知らず…

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