《MUMEI》

猪俣はグラインダーのスイッチを切った。



研磨板が高速回転する音が止むと、辺りは静寂に包まれる…。



猪俣は芒田の額にM9を突きつけた。



自らが知る情報を全て猪俣に明かした芒田は、猪俣にとって自分の利用価値が無くなったことを悟り、子犬のようにブルブルと震えた…。




―――…ガチャリ!!



猪俣がトリガーを引くと、弾丸の入っていない拳銃が空撃ちの音を発した。



その瞬間、芒田は鎖に吊されたままビクリと身体を震わせて――…気を失った。



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