《MUMEI》 「‥今じゃ悪いかよ」 「珍しいな──君が僕に頼み事なんて」 「頼んでねーよッ」 真っ赤になっている この様子からすると── たぶん かなり上がっているんだろうな──。 「〜〜〜〜〜ッ‥」 「珠季?」 「見んなッ」 余程恥ずかしくなったのか‥ 珠季は反対側を向いてしまった。 「‥‥‥‥‥‥‥」 「───────」 そのまま‥ 沈黙が流れる事 数秒間。 「‥!?」 珠季が驚いた様子で 僕の方を向く。 「何いきなり手ぇ繋いで来んだよっ‥」 「繋げと言ったのは君だろう?」 「──ぁ"〜ッたく! 暑苦しーんだよっ」 「フ‥」 「笑うんじゃねぇッ」 それでも珠季は 僕の手を放そうとはしない。 それどころか 思い切り強く 握り締めてきた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |