《MUMEI》

「──ぁっ、珠季、綾瀬君──おはよう」

僕達が教室に入るなり

真っ先に挨拶をしてくれた麻木。

「珍しいね──2人共遅刻なんて」

「ぁぁ──」

「コイツが寝坊しやがるからアタシが巻き添え食ったんだ」

「別に、君は先に行っても構わなかったんだけどな──」

「ぅ‥うるせーっ。待っててやったんだから感謝しろよな!?」

珠季は

ぶっきらぼうに言って──

自分の席に腰を下ろす。

「──つーか次現国かよ‥」

怠そうな顔をして

珠季は教科書を鞄から出した。

「──シズル」

急に呼ばれて‥

僕はドキリとした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫