《MUMEI》 「──ぁっ、珠季、綾瀬君──おはよう」 僕達が教室に入るなり 真っ先に挨拶をしてくれた麻木。 「珍しいね──2人共遅刻なんて」 「ぁぁ──」 「コイツが寝坊しやがるからアタシが巻き添え食ったんだ」 「別に、君は先に行っても構わなかったんだけどな──」 「ぅ‥うるせーっ。待っててやったんだから感謝しろよな!?」 珠季は ぶっきらぼうに言って── 自分の席に腰を下ろす。 「──つーか次現国かよ‥」 怠そうな顔をして 珠季は教科書を鞄から出した。 「──シズル」 急に呼ばれて‥ 僕はドキリとした。 前へ |次へ |
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