《MUMEI》

授業中──。

珠季はしきりに

僕の方を見てくる。

けれど

特に何を言って来る訳でも無い。

ただ──

チラ見というか‥

こっちを見て

すぐに視線をそらしてしまう。

「───────」

やはり‥

今朝の事か?

今朝僕が──

寝坊したからか?

いや‥

違うな‥。

すぐに手を繋いでやらなかったから‥。

「──────‥」

「‥シズル」

「ぇ」

「‥‥‥また‥ケーキ食いに行かねーか」

「ケーキ‥?」

「今度の‥週末の予定」

「──ぁ‥ぁぁ」

そんな会話を

小声でしていたら。

先生がこっちを見ていたから

慌てて教科書に視線を落とした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫