《MUMEI》 少し緊張しながら── 僕は、 屋上の扉を開けた。 一瞬、 目の前が白くなって── それから、 真っ青になる。 ──空だ。 凄く綺麗──。 「──あれ‥」 誰かいる‥。 フェンスに── 寄り掛かって‥。 「‥‥‥ぁ」 芙原さん‥? 「芙原さん!!」 僕は、 思わず叫んでた。 そんなに大きな声で叫ぶ事なかったんだけど‥ 何でか大声を張り上げてた。 ここにいるのが芙原さんだって分かった瞬間── 何かが、 込み上げてきたんだ。 前へ |次へ |
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