《MUMEI》

あたしが日向と出会ったのは、

本当にまだ赤ちゃんの頃。





たまたま、

家が隣り同士だった事もあって──

あたし達はほとんど毎日会ってた。





幼稚園も一緒で、

色んな事して遊んだ。





『ひなくん、かくれんぼやろっ♪』

『かくれんぼ?』

『ひなくんがオニだよ♪』

『ぇ、ナカちゃ‥』

『──オーニさーんこーちらっ♪』





あたしは特に、

かくれんぼが好きだった。





あたしは、

かくれんぼでは日向に負けた事がない。





だから、

あたしは夢中だった。





日向は、

必死になって逃げ回ったり──

あたしを捜したりしてくれた。





──それが、

嬉しかった。

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