《MUMEI》

「‥おい桐生」

「──ぇ」

「お前、何であたしの事止めようとしたんだ」

「ぇ‥?」

「何でなんだよ」





芙原さんが、

強い口調でそう言った。





けど僕は‥

何も答えられない。





「おい」





芙原さんの声が、

大きくなる。





‥‥‥どうしよう。





「‥何なんだよお前」

「ぇ‥」

「何なんだよッ。あたしに何してーんだよっ」

「芙原さ‥‥‥」

「お前ただのクラスメイトだろ!? いちいちあたしに関わんなよッ」

「!‥」





やっぱり‥

そうなんだね──‥。





君にとって僕は、

ただのクラスメイトなんだ。





──分かってる。





君には‥

服部先輩しか見えてないって事──‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫