《MUMEI》

飛んで行った綿毛は、

どんどん遠ざかって──

すっかり見えなくなった。





「───────」





あたしも、

あんな風に飛んで行けたらいいのに。





「那加、何か飲むか?」

「今はいらない」

「プリンとか──」

「ちょっと前に食べた」

「漫画、別なの──」

「いい」

「‥‥‥‥えっと‥」





日向は、

困ったみたいに考え込む。





「ひまわりの話、聞くか?」

「ひまちゃんの? 聞く聞くっ♪」






ひまちゃんっていうのは、

日向が飼ってるハムスター。





あたしはまだ見た事ないけど、

すっごく可愛いらしいんだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫