《MUMEI》

「あ〜っ、もう!」


わかんない、わかんないよ。


すぐ近くにいるんだもの、意識しちゃうよ。


ただ、それを愛だの恋だのと決めつけるのは乱暴すぎる。


だって私は一夜のこと、本当に何も知らないんだ。


今だって兄になったなんて実感はない。


私にとっては、まだただのクラスメートでしかない。


そうだ、その筈だ。


なのに、なのに


なんで………


「ドキドキしてんだろ…」

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