《MUMEI》
「ちょ‥‥‥‥ちょっ‥ちょっ‥‥‥」

「『ちょっと待て』？」

「だっ‥だからな？ アイツは──」

「うん。でも加恋ちゃんが言ってたんだ。『言ってみなきゃ始まんない』って」

「───────」

「だから‥」

「──後悔しないか？」

「ぇ」

「たぶんアイツ──言っても分かんないし──」

「恐いよ？ すっごく‥。断られたらどうしようって‥‥‥凄く恐いんだ。──でも‥言わないままはもっと恐い‥」

「藍‥？」

「駄目、かな‥、？」

「決心着いてんならやってみな」

「ぇ──お兄ちゃんいいの‥？」

「まだ俺はアイツの事見込んでないけどな？ まぁ、妹がそこまで言うんなら──な」





お兄ちゃんが、

そう言って笑う。





私は──

何だか嬉しくなった。

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