《MUMEI》 「ねぇ、何で姫サマって呼ぶの?」 「だって俺は──」 「俺は?」 「俺は那加の召使だから」 「───────」 「だろ?」 「──じゃあ、何でも命令聞いてくれる?」 「約束したし、な」 そう言って、 日向はあたしの頭に手を乗せた。 ──あったかい、 手。 ‥でも‥ 何か恥ずかしい。 「──ひなた、手離してよ‥」 「嫌か?」 「‥そうじゃないけど」 「──なぁ」 「何?」 「那加、大きくなったんだな──」 「ぁ‥‥‥‥あったり前でしょ? いつまでもちっちゃいままな訳ないじゃない」 「ぁぁ、そう──だよな」 「もぉ‥‥‥」 何か抜けてるっていうか‥。 日向は、 そうだからいいのかも知れないけど──‥。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |