《MUMEI》 「ひなた、まだ起きてる‥?」 「ぁぁ、起きてる」 「あたし、いつ退院出来るかな」 「ちゃんと食べれるようになったら──」 「それっていつ?」 「っと‥」 「分かる訳ない、か‥」 戸田先生も、 佳代子さんも──‥ いつ退院出来る、 とはまだ言ってこないし‥。 真っ白な天井を見上げると、 何だか‥ 何もない場所に吸い込まれてしまいそうで。 「早く家に帰りたい」 「‥そう、だよな」 「決まってるじゃない、少なくとも一生ここにいるなんて御免だもん」 「──明日は‥何買って来てやろうかな」 「ぇ」 「土産」 「‥別にいらないもん」 そうあたしが言ったら、 日向は苦笑した。 「お休み、那加」 「お休み‥」 ふと横を見たら、 日向の寝顔があって── やっぱり、 天使みたいな笑顔をしてた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |