《MUMEI》

アラタは送信したことを後悔した。

甘えてると思われるかもしれない
媚びてると思われるかもしれない
見離されたかもしれない
嫌われたかもしれない


どうしよう。
ベッドの上で小さくなり一枚ブランケットを被った。
 素肌を直に手で触れる 汚い

汚い


カーテンの無い窓から電柱の光が仄に肌を照らす。

アヅサとよくこうして一枚の布団の中で体を寄せ合った。
調度今のように何もかも脱がされて、眠りにつく。

朝アヅサは元の自分の寝床に戻り俺は寝間着を彼の手で着込んで目覚めるのだ。


今日に限って誰も来ない。誰かに甘えた声は聞かれたくないけれど


誰かの鼓動が欲しい。

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