《MUMEI》

「──さぁて‥」





加恋ちゃんが、

意気込んでいる。





「どうやって先輩に手紙渡すかが問題だよね──」

「うん‥」

「──ぁ」

「?」

「一緒にお弁当食べれば?」

「‥ぇ」





先輩と一緒に‥

お弁当‥?





「むっ‥無理だよっ‥」

「アイちゃんが誘えば絶対OKしてくれるよ?」

「──そうかな──‥」





先輩は、

今まで誰にお昼を誘われても‥

OKした事はなかった。





誘ってきたのが、

どんなに可愛い子でも。





「──────‥」





私が誘っても‥

きっと同じ‥。

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